よく噛んで食事をすることの意義

「噛ミング30(カミングサンマル)」という言葉をご存じですか。これは1口30回以上噛むことを目標にしたキャッチフレーズです。今回は、噛むことの大切さについてお話します。

噛むことで豊かな五感が育まれる

私たちのからだは、口から食べたものでできています。食は元気や健康の源です。よく噛むことで心がくつろぎ、ストレスも発散されます。

また、豊かな五感(視覚、臭覚、味覚、聴覚、触覚)も育まれます。まず目で見て料理の盛り付けや食材の彩を楽しみ、美味しさを引き立てる唾液の分泌を促します(視覚)。その匂いが香りを嗅いで(臭覚)一口、口に入れ、よく噛んで唾液とよく混ぜ食べることでさらにその素材そのものの香りや風味を味わうことができます(味覚)。

さらに、ボリボリ、カリカリとおいしい音を楽しみ(聴覚)、噛みごたえとともに滑らかさと喉越しを感じながら(触覚)、食塊にしてゴックンと飲み込みます。このことにより食品の物性を知り飲み込みやすさを知ることが出来ます。

現代人の咀嚼(そしゃく)回数は江戸時代の半分

ところで、静岡県の駿府城の城主だった徳川家康さんはどんな食事をしていたか御存じですか。麦飯、納豆、かぶの味噌汁、ハマグリの塩蒸し、里芋とごぼうの煮物、鯛の焼き物などです。

では、現代の私たちはどうでしょうか。コーンスープ、ハンバーグ、スパゲッテイ、プリン、パン……。しっかり噛まなければ食べられなかった食事から、噛まなくても食べられる食事に変わってきました。現代の子どものそしゃく回数は徳川家康さんの時と比べたら半分のそしゃく回数になっています。

食べ物を噛むことは、そしゃくという運動を引き起こし、さらに食べ物の性質を十分に味わうことにつながります。つまり噛むことの大切さは噛む運動の大切さだけではなく、よく噛んでよく味わって食べることにあるのです。

お母さんたちの間では時短で作る料理、スーパーフードを使った料理が流行っているようです。たまには子どもさんと時間をかけて料理をするのもよいのではないでしょうか。お母さんの愛情をひとつまみ入れるのを忘れないでくださいね。

アドバイス
静岡県歯科医師会地域保健部員
松田 美代子 先生
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