子どもの「もっかい!」に、とことんつきあう

絵本を読み終わるとすぐさま「もっかい(もう1回)!」と言われ、同じ絵本を何度も読む(読まされる!)。読み聞かせをしたことがある方はおそらく、こんな子どもの「もっかい!」に出会った経験があると思います。今回は、子どもの「もっかい!」について考えます。

大人には不可解な「もっかい!」

おとなとしては、何がそんなにおもしろいのかしら?と疑問をいだいたり、こっちの絵本も読んでみたらどう? なんて気持ちがむくむく湧いてきたりすることもあるかもしれません。

さてこの(おとなにとっては)不可解で、でも切実さとまじめさが感じられる子どもの「もっかい!」、どう考えたらよいでしょうか。

「もっかい!」を繰り返すと関心が変化

私は大学院生のころ、当時1歳だったYちゃんに絵本『おつきさまこんばんは』を読んであげました。最初はYちゃんからくり出される「もっかい!」がおもしろく、ひたすらその「もっかい!」につきあいました。しかし長い間読み聞かせを続けるうちに、Yちゃんの関心が少しずつ変わっていることに気づきました。

はじめはお月さまの顔を指でなぞっていたのが、黒猫を指さして「にゃーにゃ」と言うようになり、数カ月後にはお月さまの表情をまねて「あっかんべえ」をするようになりました。そして2歳になるころ、空に浮かぶ月に向かって「おつきさまこんばんは」と言ったのです。しばらくしてYちゃんがその絵本を読むことはなくなりました。

満足できると新たな世界に自ら飛び込む

子どもの「もっかい!」の背景には、おとなにはよくわからない、けれどたしかに夢中になれるものや新しい発見があるのでしょう。満足いくまで読み聞かせてもらった子どもは、自分で「おしまい」を見つけ、また新たな絵本の世界に自ら飛び込んでいきます。

子どもをよく見ていると、そのことに気づくことができます。子どもが見ているものに関心をもち、「もっかい!」にとことんつきあうことで、おとなもまた、新たな発見が得られるかもしれません。

アドバイス
静岡福祉大学
子ども学部子ども学科
山下 紗織 先生

子どもが出会うお話、特に絵本について、日々考えています。本を読むこととちいさなものがずっと好きです。最近はみみずくと小鳥に力をもらっています。

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