幼児期には多様で自由な運動遊びを

子どもの体力低下、二極化の問題についてはご存知の方も多いと思います。1980年代、子どもの体力はピークとなり、その後1990年代半ばにかけて急激に体力は低下し問題視されるようになりました。今回は幼児期の運動遊びのお話です。

幼稚園、保育園でも運動の重要性を認識

1998年から新体力テストが始まり、現在に至るまで体力レベルは全体的にある程度改善しているのですが、ピーク時の体力レベルには届かず、また二極化が深刻化しているとの指摘もあります。この体力の二極化については幼児期から始まっているという調査があります。

幼稚園、保育園でも運動の重要性が認識され、最近では全国の幼稚園の6割で運動指導を行っているといわれています。

保護者など幼児の周辺にいる人たちの理解が大切

ところが、近年の調査において、予想外の結果が示され話題になりました。運動指導を行っている園の幼児よりも、行っていない園の幼児の方が平均的に運動能力が高かったという結果です。

考えられる原因としては、「幼児期に必要な多様な動きを含む運動が少なかった」「自由な運動遊びが少なかった」の2点です。

前者に関しては、大人にとって意味のある運動(例えば、ジョギングなどの有酸素運動)がそのまま幼児にも意味があるわけではないということです。幼児期は運動をコントロールする能力が特別に伸びる時期です。その能力開発には様々な体の部位を色々なスピード、タイミングで動かすことが重要です。

後者に関しては、自分で決めた自由な運動遊びこそが運動の爽快感や楽しさ、有能感、そして意欲を育むということがあると思います。

遊ぶ環境が失われつつある中、幼稚園、保育園の運動指導の活動は推進されるべきものと思います。運動指導から運動遊び支援へ、運動指導者だけでなく、園の関係者や保護者など幼児の周辺にいる人たちの理解が進むことを願っています。

アドバイス
静岡福祉大学
子ども学部子ども学科
齋藤 剛 先生

研究テーマは、運動とストレス、発達障がい児支援。最近うれしいことは帰宅時に息子(2歳弱)が走って抱きついてきてくれること。さみしいことは娘(4歳)がお風呂に一緒に入ってくれなくなったこと。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする