Q. 勝ち負けのある遊びの時、自分が一番にならないと怒ったり、途中でやめてしまいます

子どもについての相談の中には「できるか・できないか」という「100か0か」という見方をすることによって、親も子もお互いにしんどくなってしまっているケースがあります。「できない」中にも、全くできない段階からもうすぐできそうな段階までありますので、「今できていること」「できそうなこと」をお聴きし、方策を一緒に考えるようにしています。

A. 負けても楽しく遊ぶために必要なスキルを “スモールステップ”で考えてみましょう!

人と心地よく過ごすためには、様々なスキルが必要です。「人と合わせる」「表情を読み取る」「ルールを守る」「わからなければわからないと言う」「困っている人がいたら教えてあげる」等、私達は日々、様々なスキルを駆使して社会生活を送っています。

「助けを求める」「断る」「感謝する」等もスキルです。これだけ多様なスキルを習得していかなければならないのに、私達は「仲良くしなさい」等、態度や結果を求める表現をしがちです。

ゲームに負けて悔しくて、相手を罵倒して部屋から飛び出した子がいたとします。『友達と仲良くゲームを楽しむ』という態度重視の視点だと、この子の評価は『うまくやれなかった』で終わってしまいます。つまり、前述のように、『うまくやれたかやれないか』の2択になってしまう訳です。

しかし、図のように、現状から望ましいスキルまでをスモールステップで考えていくと、「今はどの段階で、何につまずいているのか」が見えてくるのではないでしょうか。この見方をすると、部屋を飛び出すことは決していいことではないけれど、相手を叩いていた頃に比べれば成長したな、とさえ思えてきます。

図のスモールステップはほんの一例です。例えば、負けたくないあまりに、都合よくルールを変えてしまう子なら、「ルールを守って遊ぶ」というスキルも入れたいですね。感情のコントロールがうまくできない子なら、「怒りそうになったら、頭の中で10数える」など、怒りの対処スキルについて、いろいろ考えてみたいですね。

『次は何を目標にして取り組んでいけばいいか』を明確に

このように、今の表れからスタートして、今後使っていけそうなスキル、使っていきたいスキルを並べてみて、視覚化するといいと思います。それを眺めてみることで、「今は飛び出しちゃうけど、“がまん、がまん”って言える自分になりたいな」と自ら願いを持ったり、親子で「今度は、○○してみようか」と作戦を練ったりすることができるようになり、『次は何を目標にして取り組んでいけばいいか』が明確になると思います。

このように、一つずつスキルを獲得していく方法もありますし、「勝ってもいばりません。負けても怒りません。最後まであきらめません。」と合言葉を唱えてから遊ぶ、という方法もあります。この合い言葉を唱えると楽しく遊べる、という実感をもてるといいですね。

勝っても負けても楽しく遊べるスキルを身につけられるように、一緒に方法を考えたり、励ましたりしながら、あたたかく支援できる大人でありたいものですね。

アドバイス
森亜矢子さん(臨床心理士)
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